学びとは何か-〈探究人〉になるために (岩波新書)

本書から何を得たいか?

30代に突入して学びが少なくなっている
偏っている

本質的な問? 学びとは何か?知識とは何か?

世界で生きていくために必要な汎用的もしくは専門的なスキルを獲得するためのプロセス
生存確率を上げるために相対的にユニークなスキルを得る必要がある

熟達は誰にでも起こる

学習することは熟達に向かう過程
達人に達したと誰もが認める人でも、学びに終わりはない

記憶と知識

答えがある丸付けは楽しい。

瞬時に正解か不正解がわかるから。

間違っていても解法が書いてあるから。

答えがない丸付けは難しい。

そもそも何をもって正解とするかの定義が困難。

昔正解だったものが今は不正解になっているかもしれない。

答えがない中、アクセス可能な情報をもとに自分で自分に丸付けできているだろうか

大人になって曖昧な要求を形にする

昔はそのやり方が適していたかもしれないけれど、今は違うかもしれない。今後もどうなるかわからない

自分の投資(お金、時間、人)が

自分に丸つけられてますか?

自分で丸付けできてるだろうか

答えがない中、アクセス可能な情報から自分で

人は、なにか新しいことを学ぼうとするときには必ず、すでに持っている知識を使う
知識が使えない状況では理解が難しく、従って記憶もできない
つまり学習もできない
すでに持っている知識が新しいことの学習に大きな役割を果たしている

スキーマは覚えるべき内容に意味づけをする

語彙の学習で最も大事なのは、一つ一つの単語の意味を覚えることに留まらず、新しい単語の意味を素早く推測し、語彙を増やしていくための「学び方の学び」を学習すること

知識のシステム

子供は小さい頃から既に、単語は語彙とというシステムの中の要素であることを理解している
新しい単語を覚えるたびに、そのシステムの中で整合性が取れるように単語の意味を理解しようとしている
新しい単語が入ってくる度に、既存の単語の意味のアップデートが走るmeganii.icon

学習をしながら学習の仕方を学び、同時に知識を増やしていく

外国語の単語の意味をきちんと理解するためには、母語とは別に、その外国語でのその概念領域の意味地図をゼロから作り直さなければならない

科学の概念の学習でも、誤ったスキーマ克服は滅多に起こらないが、外国語の学習ではほぼすべての単語の学習においてそのプロセスを経なければならない

何か新しいことを学習するときに、人は必ず、すでに持っている知識を使う

自分がそのような知識を持っているということに気づかずに無意識に使っている場合も多い

スキーマは情報を取り込み、記憶を取り込み、記憶するために

自分で培ってきたスキーマ、つまり「誤った思い込み理論」を捨て、大人から教えられる「正しい理論」、正確にいえば科学者によって「正しい」と考えられている理論を受け入れるのは、子どもにとってコペルニクス的転換を迫られる革命的な出来事

誤ったスキーマを作らず、正しいスキーマをはじめからつくることはできない

スキーマは、人の自然な世界の認識のしかたを反映して自分でつくるものであるので、それをことばで直接教えることはできないからだ。

それをつくらないようにすることもできないし、「科学的に正しいスキーマ」を子どもに直接教えることもできない

誤ったスキーマをつくらないことではなく、誤った知識を修正し、それとともにスキーマを修正していくこと

自分で自分の理論と矛盾する現象を経験して、自分の思い込み理論がおかしいことを納得できたとき

スキルの自動化

熟練者はいちいち考えなくても必要な行動が必要な時に自然とできる

知識観、知識についての認識のことを「エピステモロジー

知識=事実という思い込み

テスト文化の影響で、覚えた事実の量が大事と刷り込まれている
英単語の意味を1語1訳で覚えても、使えるようにならないのと同じ。
「外にある知識を教えてもらう」のではなく「自分で探す」

meganii.icon思えば、高校のときにでも、記憶の反比例曲線、脳は疲れない(飽きるだけ)、単語はsentenceで覚える、メタ認知のを教わったり、発見していたからこそ、「覚えた事実量」で評価されるテストにパスできていたのかもしれない。

113p

人は、熟達の過程で、その分野で(熟達者にとって)重要な情報を非常に短い時間で効果的に記憶する術を身につける
熟達者のすぐれた記憶の本質は、「その場の情報をそのまま記憶する力」ではなく、持っている知識によって状況が認識できる「認識力」にある

脳の仕組みと熟達

前頭葉
中央実行系、推論、感情コーディング
頭頂葉
空間的視覚処理
側頭葉
聴覚・視覚情報のコーディングと記憶処理
後頭葉
低次の視覚処理

125p

情報処理のすべてを自動化してしまうと、処理が完全にルーチン化してしまい、まったく同じ情報にしか注意を向けなくなる

135p

模倣から始めてそれを自分で解釈し、自分で使うことによって自分の身体に落とし込むということは言語や運動に限らず、すべての学習・熟達過程について必要なこと

直感はどこにある?

最初は「事実の記憶」だったものが、使い続けることで、「身体化された手続きの記憶」に変わる
大脳基底核の一部の尾状核
古い脳。

熟達の過程の影響は脳の特定部分の局所的な変化ではなく、ネットワークの変化として考える
使うことができる知識は、事実の断片的な記憶の集積ではなく、知識をいかに使うかという手続きそのものの記憶と切り離せない形で脳内に存在する
私たちが実際に使うことができる「生きた知識」は、単に事実を知っているという知識ではなく、それをどう使うかという手続きまでも一緒になった知識
脳が学習し、智識を使うための神経のネットワークを構築することによって作られる
「生きた知識とは何か」の答えの一つ

新しい単語が語彙に入れられたら、その単語と関係する単語の意味も変わりうるし、語彙のシステム自体も変動する

153p

世界は客観的に存在していても、それを視る私たちは、知識や経験のフィルターを通して世界を視ている
聴いて記憶に取り込まれた情報、視て記憶に取り込まれた情報が、「解釈されたもの」であるとしたら、それを基盤に習得される知識もまた「客観的な事実」ではありえない

158p

効率の良い学び自体が、熟練者の優れたパフォーマンスを可能にするわけではない

211p

遊びの5原則

遊びは楽しくなければならない
遊びはそれ自体が目的であるべきで、何か他の目的(例えば、文字を読むため、英語を話せるようになるため)であってはならない
遊びは遊ぶ人の自発的な選択によるものでなければならない
遊びは遊ぶ人が能動的に関わらなければならない。遊ばせてもらっていたら遊びではない
遊びは現実から離れたもので、演技のようなものである。子どもが何かの「ふり」をしていたらそれは遊びである

215p

結果に対する報酬はマイナスに働く
結果に対して褒めるか
学ぶ態度に対して褒めるか

読めば読むほど、知識のネットワークscrapboxが体現するものだと感じた
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